将来、動物に関わる仕事がしたい!と考えている学生さんや、その親御さん。 一度は必ず「大学と専門学校、どっちに行くのが正解なの?」と悩んだことはありませんか?
動物の仕事に就くなら「大学」と「専門」どっちがいい?
「将来は動物園で飼育員になりたい!」 そう決めたとき、最初にぶつかる壁が「進学先」です。ネットで調べれば調べるほど、大学を勧める声もあれば、専門学校を推す声もあり、結局どっちがいいの?と迷ってしまいますよね。
結論からお伝えすると、どちらかが一方的に優れているわけではありません。しかし、「あなたがどう動物に関わりたいか」によって、選ぶべき道は明確に分かれます。
私は帝京科学大学を卒業しましたが、実はもともと専門学校を第一志望にしていました。実際に専門学校のオープンキャンパスに何度も足を運び、どちらの世界も覗き見た私だからこそ言えるのは、この二つは「ジャンルは同じでも環境は全く違う」ということです。
大学は、4年間という時間をかけて「生物、展示、管理、動物心理」など広く深く追求し、同時に自分の将来をじっくり見極める場所です。対して専門学校は、2年間という短期間で現場に必要な「実技」と「即戦力」を体に叩き込む、いわば職人の養成所です。
実際に短期バイトで動物園に行った時も、同じバイトで専門学生と一緒に働きましたが、餌づくりの飼料の名前や動物との関わり方はその専門学生の方が圧倒的に詳しかったです!
この記事では、私がなぜ第一志望だった専門学校を諦め、大学という道を選んだのか。そして実際に大学で学んでみて分かった「リアル」を、5つの章に分けて詳しくお話しします。進路に悩むあなたの「後悔しない選択」の一助になれば幸いです。
高校時代の私はどうだったのか ― 進路を変えたオープンキャンパス
私は小学生から飼育員を目指していて、高校入学時もその夢は全く変わっていませんでした。高校2年生になり、いよいよ進路を具体的に決める時期。「動物園の飼育員になれる学校」をネットから本屋さんまでくまなく探し始め、最初に見つけたのが東京コミュニケーションアート専門学校(TCA)でした。
初めてオープンキャンパスに行った日の興奮は今でも覚えています。間近で動物と触れ合い、先輩たちが生き生きと活動する姿を見て、「ここなら大好きな動物の勉強ができる!絶対にここに入りたい!」と、その場で決心しました。
しかし、立ちはだかったのは親の猛反対でした。親は未来のキャリア形成に今の時代は大学の方がいいと猛烈に押していました。それでも私は諦めきれず、自分の熱意を分かってもらうために、3回目のオープンキャンパスには親も連れて行きました。けれど、模擬授業や学校の空気を見た親の反応は、変わらず「大学のほうがいいよ」という冷ややかなもの。
体験授業や面談を通じ、私がこれまで独学で積み上げてきた知識や、動物に対する向き合い方を深く汲み取ってくださった専門学校の先生は、私にこうアドバイスをくれました。
「君の好きなことは大学で深堀りすることもできるし、専門学校で磨くこともできるよ」
そこで私は思いました。「え?飼育員目指せる大学があるの?」
当時の私は、飼育員を目指せる「進学先」を探していて実は専門学校への強いこだわりがあるわけではなかったのです。「俺、成績も悪いですよ?動物を学べる大学なんて本当にあるんですか?」と問い直す私に、先生が教えてくれた名前。それが母校となる「帝京科学大学」でした。
偶然が重なって私は母校の大学を選択したのです。
大学で感じたこと
先生の勧めで入学した帝京科学大学。150人以上の同級生に囲まれた大学生活は、想像以上に多様性に満ちたものでした。
学び
大学での学びは、とにかく「座学」が中心です。動物園水族館学、伴侶動物学(伴侶動物とは家族と共に生きている動物のこと)、動物栄養学、景観デザイン論……。図鑑をランドセルに入れていたあの頃の好奇心が、論理的なデータや研究によって頭の中に入っていく過程はとても大変だったけど刺激的でした。また、一般教養として動物以外の分野も学ぶ必要があるため、高校の成績がオール2の私にはとてもきつかったですが友人の力を借りてなんとか単位を取り切りました。
交友関係
大学には、本当に色々な背景を持った人が集まります。「特定の動物がたまらなく好きで、その生態を極めたい」というガチ勢はもちろん、「家で飼っている愛犬についてもっと深く知りたい」、「友達が受けたから私も受けた」「第一志望の生物系大学に落ちたから」などの色々な理由がありました。
私の友人たちは入学時に「なんでこの学校に来たの?」と聞くと
・イヌと入れるホテルで働きたい。
・特に目標はないけどトラにくわれて死にたい。
・博物館の研究員になりたい。
・猛禽類が大好きで鷹匠になりたい。
などクセの強い人たちでした!!
大学生活を賢く生き抜くコツは「友人を作ること」にあります。
大学は自由な分、情報の格差が大きいです。友人が多ければ、試験対策やレポートの情報、さらには就職に関するマニアックな噂話まで、情報のスピードが格段に早くなります。一人で黙々と勉強するのも立派ですが、同じ志を持つ仲間と手を取り合うことで、難しい試験も「楽」に、そして「楽しく」乗り越えられるようになります。
部活・サークル
また、帝京科学大学ならではの部活やサークルも大きな魅力です。
私は「動物園研究部」、「馬のお世話をする部活」、「スポーツ系サークル」にも所属していました。講義で学んだ知識を、部活動という現場ですぐに確認したり、仲間と議論したりする時間は、「自主的な学び」の楽しさがありました。
いま思うこと
最大のメリットは、「自分の可能性を試す時間」がたっぷりあることです。専門学校が2年で全てを詰め込むのに対し、大学は4年あります。アルバイトをしたり、サークル活動を楽しんだり、遊んだり自分の好きなことを突き詰めたり。この「ゆとり」が、後々の大きな助けとなりました。
しかし、自由には責任が伴います。大学は単位制。自分で授業を組み、自分で自分を律する。苦手なことでもやらなければいけないことはやる。高校時代の私のように嫌いな教科は勉強しないで補習、みたいなマインドだと簡単に留年という崖っぷちに立たされます。(私も2年終了時は留年ペースでした)また、学費も専門学校に比べれば総額で高くなる傾向にあります。
今の私が一番「大学で良かった」と感じたのは、大学2年生の短期バイトで飼育員の現場を経験し、挫折したときです。「自分には現場は無理だ」と気づいたとき、もし2年制の専門学校だったら、卒業間近で逃げ場がなかったかもしれません。でも、大学にはまだ2年の残された時間がありました。「長年目指してきた飼育員を諦めるなら自分は何がしたいんだろう」を模索し、教育業界という次のステップへ軌道修正する余裕があったのです。
専門学校(オープンキャンパス)
3回も足を運んだ専門学校の空気感は、大学のそれとは全く異なる「熱」を持っていました。
まず驚くのは、学生たちの「ガチ度」です。いい意味で「変な人」が多く、朝から晩まで動物のことだけを考えているような、突き抜けた情熱を持つ仲間と出会えます。大学が幅広い層の集まりだとしたら、専門学校は覚悟を持った人たちの集まりでした。
2年間という短い年月で現場に出るため、カリキュラムは非常にタイトです。大学のような「自由な時間」はほとんどありません。その分、実習の多さは圧倒的で、動物を扱う「技術」に関しては最短距離でプロに近づけます。勉強というよりは、もはや「社会に出る前の修行」に近い感覚かもしれません。
しかし、私が感じた最大のリスクは、「軌道修正の難しさ」です。 2年間、動物に関することだけに全てのエネルギーを注ぎ込むため、万が一卒業間際や就職後に「自分には合わない」と感じた場合、他の業界へ飛び込むためのマインドセットや一般常識の切り替えに、相当な苦労をすることになります。
入試自体は大学ほどハードルが高くないケースが多いですが、入学後の密度は専門学校の方がはるかに濃い。自分の適性が「現場一筋」だと確信できている人にとっては天国ですが、少しでも迷いがある人にとっては、覚悟が必要な道だというのが、両方を見た私の正直な感想です。
まとめ、結論
大学と専門学校。二つの道を比較してきましたが、いかがでしたでしょうか。
私が今、当時の自分と同じように迷っている人に伝えたいのは、「自分の『好き』という気持ちに正直になってほしい」ということです。
- 大学(帝京科学大学など)に向いている人: 「なぜ?」という好奇心を論理的に突き詰めたい人。将来、飼育員以外の可能性も残しておきたい人。自分のペースでじっくりと動物との距離感を測りたい人。
- 専門学校(TCAなど)に向いている人: 1日でも早く動物の世話をしたい人。座学よりも体を動かして技術を盗みたい人。動物以外の道は一切考えられないという強い覚悟がある人。
この記事を読んでくれた後にこう考えるのはやめてください!
・コミュ障だから友達できないかも…専門にしようかな。
・受験めんどくさいから専門にしよ。
・入学してから高校の勉強するのだるいな…専門にするか。
・高校卒業してまで授業ビッシリなのか…大学にしよ。
・4年も勉強するのなんか嫌だ…大学にしよ。
進路に大切なのは学校のメリットデメリットではなく、この学校で○○を学べば自分の夢、目標にたどり着く!なぜなら○○だからだ!!と自分の中で考え抜いた先での答えです!!
私は結果として、飼育員という職業は選びませんでした。でも、大学で「人に伝える楽しさ」を知り、友人や先生に背中を押された経験のすべてが、今の私を作っています。
どちらを選んでも、失敗ではありません。進路選びはゴールではなく、あなたが動物とどう生きていくかを決めるための「最初の冒険」です。まずは、気になる学校のオープンキャンパスへ足を運んでみてください。そして、そこで出会う動物や先生たちに今の自分をぶつけて、自分の心がどう動くかを確認してほしいと思います。

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