1. 人生の原点は「トラのおしっこ」?
私の動物園人生は、少し変わったハプニングから始まりました。 幼稚園の遠足で訪れた野毛山動物園。展示場の前でトラが放った「おしっこ」が、運悪く(あるいは運良く?)私にかかってしまったんです。
周りの友達がパニックで泣き叫ぶ中、私一人だけが「あはは!」と大笑いしていたそうです。 普通ならトラウマになりそうな事件ですが、私にとってはそれが動物という「正解のない生き物」に魅了された瞬間でした。
図鑑と「いつもの動物園」が私の教室だった学生時代
子供の頃の愛読書は、小学館の『図鑑NEO』。家では図鑑をボロボロになるまで読み込み、小学校低学年の時にはランドセルに図鑑を入れていることもしばしば。
外に出れば動物園へ行く日々。 意外にも当時の私は、全国を飛び回るアクティブ派ではありませんでした。
自宅から通える範囲にある「いつもの動物園(野毛山とズーラシア)」に、何度も、何度も通い続ける。 そんな「同じ場所を定点観測する」スタイルが、私の観察眼を養ってくれました。
特に高校時代、学校という場所に馴染めず、制服のまま動物園へ向かうこともありました。 年間100回近く通い詰める中で、次第に私の興味は動物そのものだけでなく、「どうすれば動物が生き生きと暮らせるか(環境エンリッチメント)」や「どうすればその魅力が人間に伝わるか」という、見せ方の工夫へと移っていったのです。
大学での専門的な学びと、夢の挫折
「いつか自分も、動物が生き生き生活できる最高の展示を作りたい」 その一心で、山梨県の大学へ進学し、動物科学を専攻しました。生態学や飼育環境について論理的に学ぶ日々は、本当に刺激的でした。
しかし、大学2年生の時に経験した動物園での短期バイトが、一つの転換点となります。 憧れていた舞台。けれどそこで目にしたのは、動物園職員という世界の厳しい給与体系や、個人の理想だけでは変えられない組織の壁でした。
「自分はこの厳しい現場で、一生やっていけるのだろうか……」 大好きだからこそ、自分の限界を突きつけられた気がして、一度は動物園に関わる夢を諦めることにしたんです。
なぜ「教育」の道から、もう一度動物園へ戻ったのか
大学卒業後は一般企業に就職しましたが、わずか1カ月で退職。半年間の自分探しを経て、辿り着いたのが教育業界でした。「人に何かを教えること」 「大学の授業で楽しかった、展示パネルを作るようなワクワクを伝えること」
教育の現場で働く中で、私は自分が「誰かに魅力を伝えること」に深い喜びを感じる人間だと気づきました。それと同時に、自分の中に眠っていた「やっぱり動物が好きだ!」という情熱が、再び燃え上がってきたのです。
「飼育員として現場に立たなくても、マニアの視点と伝える技術を合わせれば、自分にしかできない動物園への貢献ができるはずだ」
そう確信し、このブログを立ち上げる決意をしました。
このブログで皆さんに伝えていきたいこと
現在の私は、仕事の傍ら月2回ほどのペースで動物園を巡っています。 かつての「年100回」のような勢いはありませんが、その分、一回一回の訪問で見る視点の鋭さと、それを分かりやすく言語化する力には自信があります。
- 園ごとの「個性」を深掘りする: 展示の裏側に隠された意図を解説
- 「環境エンリッチメント」の面白さ: 動物たちが生き生きとする瞬間をシェア
- 日常に動物園を: 明日誰かに話したくなる、意外な生態の知識
このブログを読み終えたとき、「次の休み、久しぶりに動物園に行ってみようかな」と思ってくれる人が一人でも増えたら、これほど嬉しいことはありません。
トラのおしっこで笑っていたあの頃の純粋な気持ちで、動物園の奥深い世界をご案内します。 これから、どうぞよろしくお願いします!


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